売却のタイミングっていつがベスト？

経済状況は、売却のタイミングとしてより良い価格で購入していただく為には、重要な要素です。一般的に、好況期のほうが多数の買手が存在するのは間違いないため、そうなると、おのずと最終的な譲渡価格は上がってくるものです。
また、Ｍ＆Ａの取引のマーケットが増えている時期は当然に評価も上がってきます。「中小企業白書」にもＭ＆Ａの成立件数の推移が公表されています。このあたりを確認してよりよい譲渡のタイミングを計っていきましょう。

利益が出ている事業は、当然売却しやすくなります。現在事業が順調で、今後も伸び代がある状態で売却するのが理想的です。買い手にとって、事業を引き継いだ後の経営や利益が現実的にイメージできるというのは大きなメリット。第三者目線での業績も良く、現在の経営者がパワフルに経営を進めている状態は、買い手にとって最も魅力的な状態であると言えるでしょう。

ただ、現在の事業が順調だと、ほとんどの経営者がそのまま自分で事業を進めたいと思うはず。自分の力でさらに事業を拡大し、大きな利益を得ようと考えることが多いためです。特に差し迫った後継者問題、心身面での不安などがない場合は、可能な限り事業を拡大してから売却することも考えましょう。

一方、現在の事業が好調でも、経営者の意欲が減退傾向にある、業界的に長期の展望が見出しにくい等不安を感じることも多いものです。このような場合は、Ｍ＆Ａで売却した場合のシュミレーションを行い、続けるべきか売却すべきかを冷静に考えてみることも必要です。事業への意欲薄くなる前に決定すべきです。経営者の意欲が減退してしまうと、打ち上げが低下するか、事業がおろそかになり冗費を使いすぎたりして業績が悪化してしますものです。そうなると事業の価値が下がってしまいますから、業績への影響が出る前がM&Aを行うベストなタイミングであると言えます。創業者利益も大きくなるでしょうし、意欲のある企業や経営者にゆだねることで、事業はさらに拡大・発展していくでしょう。

現在事業が停滞しており利益が出ていない場合や、赤字である事業はなるべく早く売却を検討すべきです。ズルズルと経営を続けていても、いずれ倒産や廃業に追い込まれ、社員や顧客に迷惑をかけてしまう可能性が高いからです。経営者の経営意欲も減退している場合は、さらに売却を急ぐ必要があります。経営意欲減退すると業績が回復することはほとんどないため、少しでも早く買い手を探すことが最高の売却のタイミングと言えるのです。

事業がうまくいっていないと売却は不可能と思われるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。購入する企業側は様々なシナジー効果を想定しています。自分たちの強を購入希望企業が見出してくれることも多いはずです。それ以外でも特に、特殊なブランドを保有する事業、特徴のある事業、他社の参入が少ない新事業、将来的に伸びそうな業界の事業、特許を取得している事業などは可能性が残されています。また、同業界の大手企業がシェア拡大を進めているときもチャンスです。そのような情報は身近なところから入ってくるものです。チャンスを逃さないよう情報収集は怠らないようにしましょう。

また、事業は上手くいっていないが経営意欲はある場合、様々な方法を模索する必要があります。自力で事業を続ける他、事業資本提携等で大手企業と協力する方法、事業を理解してくれる企業に売却して経営を任せる方法など、M&A以外のパターンにも目を向けましょう。

また、M&Aは買い手とのニーズが合えば成立するため、良い出会いがあれば客観的な経済状況は関係なく売れる可能性もあります。買い手にとって魅力的な事業であれば、現在の業績や経営状況は大きな問題ではありません。、加えて重要なのは、情報開示に対する経営者の姿勢です。経営者側の情報開示に対して嘘のない姿勢が買い手に伝わることが重要で、人間的な信頼感を持ってもらえるかによって購入の判断すら変わってくるものです。
そのため、少しでも売却を検討している場合は、一度仲介業者に相談してみるのがおすすめです。なかなかイメージをもちづらいM&Aですが、多くのM&Aを間近で見てきた仲介業者に相談することで、より具体的な手順や価格が明らかになってくるでしょう。また、相談することによって買い手のニーズを見極め、より高く売るための方法を考えていくこともできます。自ら育てた事業を少しでも高く評価してもらえるよう、事前に準備を進めておく必要があります。

以上、M&A売却のタイミングについて紹介しました。 まずは、経済的な好況期でＭ＆Ａの取引が多い時が有利です。 続いて、自社の状況について現在利益が出ているに越したことはありません。ただ、利益が出ていなくても売却できる可能性は十分にあります。売却したい事業の事業価値を高めることに努め、売り手にその価値を伝えるために、情報開示を積極的に行う姿勢が重要です。

後継者不足問題解消、新事業に挑戦など、あらゆる理由から現在の事業を手放したいときに有効な手段であるM&A。まずは一度仲介業者に相談するなどして、市場の動向を学ぶところから始めてみましょう。